はじめに
「行政書士の勉強をしよう!」と思っている方がまず始めにやることは、テキスト・参考書を買うことだと思います。
いざ書店に行ってみると、いろんな会社がテキストを出版していて、「どれを買えばいいかわからない!」と思い悩んでしまうと思います。
この記事では行政書士試験合格者として、独学一発合格を目指す上でおすすめのテキストを解説してみたいと思います。
どれを買っても大差はない
おすすめのテキストを教えると言っておいて最初にこういうことを言うのはバカげているかもしれませんが、はっきり言ってどの会社のテキストを買っても大きな差はありません。
書店に行くと、本棚の大部分を占めているのは、いわゆる下記の画像のようなオールインワンタイプのテキストです。
このタイプのテキストは、行政書士試験に必要とされる知識を一冊にコンパクトにまとめたタイプの書籍です。
ほとんどの行政書士受験生はこのタイプのテキストを買うかと思います。
そして先ほども申した通り、このタイプのテキストはどこの会社のものを買っても大差はありません。
どの出版社のものを使うかによって試験の合否が変わってくるということはほぼありません。
なぜかというと、このようなオールインワンタイプのテキスト一冊のみで行政書士試験には合格できないからです。
ただしこの話は法学初心者、つまり法律についての知識がない状態から行政書士合格を目指す人が、独学で勉強する場合の話です。
法学部卒業者や在学生、または資格予備校に通っている人はこの話には含まれません。
彼ら彼女らは法学初心者が独学で合格を目指す場合とは土壌が違うので、この手のオールインワンタイプのテキストのみでも合格できる余地があります。
なぜ一冊本では合格できないか
少し話がそれましたが、本題に戻ります。
なぜオールインワンタイプのテキストのみでは行政書士試験に合格できないか。
それはこの手のテキストは読者に内容を理解させる仕組みが欠如しているからです。
一冊にコンパクトにまとめてしまった分、必要な記述が省かれています。
単なる情報の羅列になってしまっており、読者に内容を理解させようという仕組み、例えば具体例やある情報に対する背景知識と言ったものが大部分省かれてしまっております。
法律というのは難解です。
そう簡単に理解できるものではありません。
紙面をかけてたっぷりと解説をつけなければ、難解な知識を理解することは難しいです。
この手のテキストの不十分な解説のみでは、書かれていることが理解できないので、無理やりの暗記に頼るしかありません。
確かに勉強のどこかで暗記というものは必要になってきますが、脳のキャパシティには限度がありますので、できるだけその量を減らすのが賢明です。
行政書士試験は難関試験と言われています。
実際に合格率が10%を切ることも多いので、難関試験といって差し支えないでしょう。
10人受けて1人、年度によっては1人も受からないこともあります。
簡単な試験ではありません。
生半可な実力で合格できるほど甘い試験ではありません。
行政書士試験に合格するためには他の人と同じことをやっていても厳しいです。
オールインワンタイプのテキストで得た不十分な理解の知識では、難関試験である行政書士の問題には対応できません。
無理やりの暗記で習得した知識では、応用力が培われません。
そもそも全くわけのわからないものを暗記することほど苦痛なことはありません。
納得して理解しながら得た知識とわからないものをわからないまま覚えた知識とでは、その定着の早さと長さに差があるのは明白だと思います。
わからないものをわからないまま覚える作業というのは非常に苦痛な作業です。
それこそ勉強を投げ出したくなるほどです。
いくら行政書士合格という目標があっても、勉強が苦痛なものであると認識してしまったらそこでやる気が湧かなくなってしまいます。
モチベーションを維持することができなくなったら合格は遠のいてしまいます。
ましてや最悪の場合、勉強をやめてしまい行政書士資格取得をあきらめるという事態になってしまうかもしれません
勉強が苦痛であるということが、行政書士合格という目標達成をはるかに遠ざけてしまうのです。
法学初心者が独学で行政書士試験合格を目指した場合、オールインワンタイプのテキストで試験を乗り切ろうとするのは非常に危険なことです。
合格の可能性がはるかに低くなります。
では何をすれば合格できるか
ではどうすれば合格を近づけることができるか?
それはこのブログで散々言及していますが、「行政法なら行政法、民法なら民法それぞれの専門のテキストを買う」ということです。
この鉄則は何度もこのブログで言及していますので、今詳しく説明することはしません。
詳細を知りたい方は以下の記事を読むことをおすすめします。
独学で合格を狙っている方は、ぜひ一度は読んでおくことをおすすめします。
合格の可能性がはるかに上がります。
オールインワンタイプのテキスト一冊のみで、難関試験である行政書士試験に合格できる可能性は低いということを覚えておいてください。
とは言っても一冊は買っておいた方がいい
これまで散々「オールインワンタイプのテキストのみでは行政書士試験に合格はできない」ということを言ってきましたが、「じゃあ買わなくていいか」というとそうではありません。
1冊、どこの会社のものでもいいので買っておくことをおすすめします。
なぜかというと、この手のタイプのテキストはすべての知識がコンパクトにまとまっているので、一覧性に優れるからです。
例えば使い方として、行政書士の学習の一番初めに、「行政書士試験にはどういう知識が必要とされるのか」ということ知るためにざっと見ていくのです。
行政書士試験という敵の全容を知らずに学習を進めていくのは、終わりのないマラソンのようなものです。
どこを目指して勉強していけばいいのかということを一番初めに知っておくことで、不安を取り除いておくのです。
そうすれば比較的気楽に勉強することができるので、学習の効率も良くなると思います。
また、そのコンパクトさのおかげで知識の総復習にも向いています。
学習が進んだ段階でこれを読めば、時間をかけずにさっと知識の復習をすることができます。
試験前などは特に役に立ちます。
一般知識と基礎法学が収録されている
まだ利点はあります。
この手のタイプのテキストには、行政書士試験の厄介者、「一般知識」のセクションが収録されています。
一般知識を勉強するには、この手のタイプのテキストを買うのが一番です。
特に「情報分野」の知識がまとまって収録されていることが重要で、これと問題集を使えば、足切りを回避するレベルまでに持っていくことが十分可能となります。
一般知識対策としてもこのテキストは役立ってくれます。
また、基礎法学の知識が収録されているのもポイントが高いです。
基礎法学は行政書士試験において2問、わずか8点分出題される程度ですが、その対策としてこのテキストが役立ってくれます。
テキストによるかもしれませんが、例えば「条文の読み方」や「法の適用範囲」といった法学の基礎中の基礎の知識が大体のテキストに収録されています。
これらの知識は法律の勉強をする上において最低限知っておかなければならない知識ですので、勉強を始める前に必ず読んでおきましょう。
運が良ければ、それがそのまま試験に出る可能性もあります。
これもオールインワンタイプのテキストを買うメリットです。
筆者が使ったテキスト
ちなみに筆者が受験生時代に使ったオールインワンタイプのテキストはこれです。
使ってみた感想としては、行政書士試験には少し力不足かなという感じでした。
細かい知識になると載っていないことが多いように思いました。
もし買うとするなら伊藤塾や早稲田セミナーのものが良いのではないかと思います。
ざっと立ち読みした程度ですが、どちらも割と踏み込んだ知識が掲載されているなという印象です。
どちらかのテキストを買っておけば間違いないのではないかと思います。
が、この記事の冒頭でも説明していますが、オールインワンタイプのテキストはどこの会社のものを買っても大差はありません。
ここのテキスト選びで合否が決まるということはありません。
ここに時間をかける必要は全くありません。
本屋に行って立ち読みをして、フィーリングで決めてしまいましょう。
行政書士合格の鉄則
大事なのは「それぞれの科目の専門のテキストを買う」ということです。
行政法なら行政法、民法なら民法の専門のテキストを買いましょう。
それぞれの科目のおすすめテキストは以下の記事で解説しております。
是非読んでみてください。
独学で合格を目指す場合、ここが大きな別れ道になります。
オールインワンタイプのテキストのみでごり押しの勉強を進めていても、合格を勝ち取ることは一向にできないでしょう。
一発合格はほぼ無理だと思います。
行政書士試験は難関試験、10人中1人受かるかどうかというレベルです。
他の人と同じことをしていても、ゴールへの距離は縮まりません。
間違った勉強法を実践していても、徒に勉強時間を増やすだけです。
少ない勉強時間で効率よく合格を目指すなら、正しい勉強法を実践することが必要不可欠です。
正しい勉強法はこのブログで再三説明しています。
つまり「わかりやすいテキストを買うこと」
それが鉄則です。
正しい勉強法を詳しく知りたい方、こちらの記事をよく読んでみてください。
最初が肝心です。
最初に正しい勉強法を学んで、合格への最短距離を走りましょう。
独学で行政書士試験合格を目指す方、合格までに必要な勉強時間はこちらの記事で解説しております。
どれくらい勉強すれば合格にたどり着けるか初めに知っておきましょう。
行政書士試験の難易度について知りたい方はこちらへ。
2年3年受けても合格できない人がざらにいるレベルの試験です。
最初に敵の強さを知って、必要な装備をしりましょう。
行政書士のテキスト、どれがおすすめ?まとめ
オールインワンタイプのテキストのテキスト(一冊本)は、どこの会社のものを買っても大差はありません。
本屋に行ってフィーリングが合うものをさっと買ってしまえばいいです。
大事なのは「それぞれの科目の専門のテキストを買う」ということです。
行政法なら行政法、民法なら民法のそれぞれの専門のテキストを買いましょう。
それをするだけで合格確率が大きく変わります。
最初に正しい勉強方法を学んで合格への最短距離を歩きましょう。